2020年公開のカナダ発作品。
最初に伝えておくとこれはモキュメンタリー(フェイク・ドキュメンタリー)ですが、何かしらの影響を絶対に受けないとは言い切れません。
なので、思い込みが激しい人や妄想にとらわれ易い方にはお勧めできない。
と言う訳でネタバレ込みでレビューを書く事にしました。
最初からネタバレありきで書いていきます。
作品の前後にこの作品の関係者等へのインタビューが入り、この作品によってどの様な事件が起きたのか説明があります。
で、後のインタビューでは死に至る理由を説明しています。
本編前のインタビューが終わり本編に入る際、画面一杯にデカデカと「法的通知」なる文章が表示されます。
雑に説明すると、「この作品を観て何かあっても製作会社や配給会社は責任を取りません」って感じです。
そして本編が終わると「あなたはこの作品を最後まで観ました」という文章が表示されて、後のインタビューへと場面が変わります。
こういうのがあると真実味が増すので、恐怖心を煽るなぁと少し感心しました。
モキュメンタリーなんだけどさ。
この作品のフィルムはいくつかの不可思議な事件のあとずっと行方不明で、たまたまオークションでこの作品が出品されていて入手出来たという(設定)。
で、本編そのものに触れていきます。
1979年に製作された(という設定の)本編は犬を安楽死させる所から始まり、主人公の男の子はその愛犬が大好きだったので塞ぎ込む様になってしまいます。
その犬はその男の子の腕を噛んだので安楽死させられるのですが、男の子は噛まれた事に対しては全く気にしておらず、むしろ犬がいない悲しみは深くなるばかり。
姉は弟のそんな姿に胸を痛め、気持ちを楽にさせてあげたいと思い弟に「犬に会いに行こう」と誘います。
姉は多分高校生位で、弟は小学生位(年齢は全く出てこないので、私の主観です)。
姉は自作の分厚い本や架空のお話を用意し、ある森の中で儀式を行った上で土を掘っていきます。
森に入る看板には注意書きがあり下の方に「suicide(自殺)」の文字が見えますが、そこは字幕では訳されません。
土を掘って掘って下に行けば、地獄に行った犬に会えると姉は言います。
1日では掘り終える事はできない為、姉弟は夜ははってあるテントで休む事にしました。
自作の分厚い本(自作とは思えない程しっかり作られている)の中には儀式に関する事の他にどういう流れで地獄に至る事が可能なのか等の説明があり、姉はそれを弟に絵を見せながら説明します。
弟は目を輝かせてその話を聞いていました。
夜が明けまた土を掘る2人でしたが、徐々に弟の様子がおかしくなっていきます。
姉はそんな弟の様子に不安を感じ、早々に切り上げるため隠し持っていた犬の首輪を落ち葉の中に隠して弟に見付けさせようとしますが、弟が急に錯乱し出したのでその試みは失敗に終わります。
錯乱した弟をなだめつつ近隣を調べる姉。
民家があり、その外にはバフォメット(悪魔崇拝における象徴的な悪魔)の形をした巨大な蒸し釜から煙が上がっていました。
その横には男が2人。
その内の1人は鹿の角を頭につけ、デニムジャケットに白いブリーフという珍妙な格好をしていて、狩った鹿に乗っかって腰を動かしていました。
蒸し釜の周りには人骨が沢山。
姉弟は危険を感じその場から静かに逃げます。
姉はもう限界でした。
森から逃げようとするも、弟は犬に会いたいと言う事を聞きません。
そこで姉は「あれは全て嘘」と打ち明け、弟と一緒に逃げますが、遠く遠く逃げたはずなのにまた自分達のテントの所に戻ってきてしまいました。
そしてまたおかしな様子になる弟。
姉もまた不思議な気配を感じ、恐怖を感じます。
そうこうしている内に蒸し器の所にいた男達に見つかってしまい、姉弟は捕われました。
意識が戻った時には姉弟はバラバラに檻の中に。
姉の見ている前で弟は蒸し器に押し込まれ、無我夢中で檻から脱出した姉は真っ黒のススだらけになった弟を救い(怪我はしてないっぽい)、姉は弟を逃します。
姉は男達の銃を拾い上げ、男達を射殺。
バラバラになった姉弟。
弟がヨロヨロと森を歩いていると、罠にかかった犬がいました。
その犬を助けて、唐突な「THE END」の文字。
でもまだ話は続きます。
弟を探して森の中を彷徨う姉。
弟は全く見つかりません。
泣きながらテントに戻った姉は外に何かしらの気配を感じ、怯えます。
震える手でその気配へ銃を向けていると唐突に画面の中に黒い男がうつり、視聴者を指差して作品は終わります。
本編の中には100以上のサブリミナル画像が差し込まれており、その殆どが「逆五芒星」でした。
悪魔崇拝を象徴する印です。
その他にはラテン語や、大人の男女がとらわれ血を流して苦しんでいる白黒の画像。
「nihil pretiosims verttate(真実ほど尊いものはない)」というラテン語はどう言う意味なのか…。
そういった画像は、元のフィルムに重ねて貼られていました。
誰かが作為したという事です。
そして、音も特徴的に作られていました。
人間が不快に感じる様に。
後のインタビューではそこを掘り下げており、呪いではなくサブリミナル効果やこの音によって精神に多大な影響を与えるのではないかと纏めていました。
万が一呪いだったのなら、過去にこういった呪いを成した人物ほどの強大な力がないと…と言いながらある男の写真を見せます。
それは、本編の最後にうつっていた男でした。
その男が指差した人物は死ぬ、と。
さて、ネタバレが終わりました。
この作品におけるサブリミナル効果はあまり見込めないらしいですが、実際のところどうなんでしょうね?
本編自体はかなり退屈で、私はサブリミナル画像を探す為に頑張って起きていた様なものです。
だから、逆五芒星マークを沢山見ました。
ラテン語も見ました。
大人の男女の画像も沢山見ました。
最後にうつった男もしっかり見ました。
私は昨日から物凄く体調が悪いです。
虚弱体質の私ですから、いつもの事です。
そう、きっといつもの事なんです…。