単なる普通の変な人

よく変と言われるけど私は普通の人です。アイコンはあずらいちさん作画。

青い若さにホラーを足した映画「デッド・ガール」感想。

この映画は先の記事とは同タイトル別映画です。同タイトル映画ってめちゃくちゃあるんですね(原題は違うけど)。Amazon primeで観る様になって初めて知りました。日本でのタイトルは人気のある映画に便乗する場合が多いけれど、この作品の場合は何故先の記事の作品と同じタイトルにしたのか全く不明。どちらも日本では有名じゃないし…。

まぁ良いか。

 

先の記事↓

そこに「穴」があるから…という頭おかしいホラー映画「デッドガール」感想。 - 単なる普通の変な人

 

デッド・ガール(字幕版)

デッド・ガール(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

2015年のアメリカ映画。

原題は「SOME KIND OF HATE」。

原題の方がしっくり来ます。

この映画、確かにホラー映画なんですが、私は若者の未熟さを描きたかったのかなぁと思いました。若者だけじゃないけど…。痛いシーンや血飛沫、あとゾンビ風味の怨霊は出てきますがビックリシーンは少ないです。

 

〈あらすじ〉

主人公リンカーンは、家ではアル中の父に事あるごとに殴られ学校ではいじめに遭っている地味な高校生。自分の中に湧き上がる怒りをデスメタルを聴く事で発散させていた。

ある日、学校で昼ご飯を食べている所をいじめっ子に邪魔され、度を越したいじめに怒りが抑えられなくなったリンカーンはフォークでいじめっ子に反撃する。それが問題行動とされ、リンカーンは怪しい更生施設に送られる。

その更生施設にはリンカーンと同じ様に問題行動が原因で送られてきた若者が多数おり、怪しい代表の元で規則正しい生活を送る様に指導される。

しかしその施設の中でも力関係が発生し、再びリンカーンはウィリーという若者をリーダーとしたグループにいじめられる。毎日いじめられるリンカーンがある地下室で「みんな死んでくれ、みんないなくなれ」と念じると、何処からか女の子の声で「一緒よ」という答えが返ってきた。

次の日の朝、ウィリーの死体が発見される。カミソリで手首を切り、腕にはカミソリで「BURRY (卑怯者)」と刻まれていた。保安官が呼ばれるも自殺として処理される。

処理後、部屋を片付けていたリンカーンは壁に血文字で書かれた「あなたの為にやったのよ モイラ」という文章を見付ける。

 

以下、ネタバレ含みますので閲覧注意。

あらすじ、短い文で辻褄合わせる為にちょいちょい内容と違います。ご容赦くだされ。

 

リンカーンが地下で愚痴った時に女の子の声がしたと書きましたが、その声の主が「モイラ」で過去にこの更生施設でいじめられて自殺した女の子なんですね。

で、共感すると怨霊となって出てきて憎い奴を殺してくれます。

モイラ自身の身体を傷付けるとその傷がターゲットに反映(?)されるというシステムで、実際に手を下さずに殺していく為ビックリシーンがほぼありません。

モイラは霊なんですけど足もしっかりあるししっかり見えるので、ゾンビっぽい見た目です。瞬時に消えて現れるとかのシーンも少ないからホラー映画が苦手な人でも安心!(でもないか?)

 

実はモイラは自殺じゃなくて他殺なんですが、元々自傷癖があったモイラは自身の身体を傷付けがち(?)で、その延長で更生施設の代表やその取り巻きに面白半分で殺されてしまう訳なんです。

取り巻きの中に偶然にも先の記事のJTを演じていたノア・セガンがいたので、私は彼にヤバい奴を期待してしまいました。この映画の中ではJTとは違いました…違い過ぎて、「普通の良い人」って思いかけましたもん。モイラ殺害に関わったから良くない人なのに。

 

リンカーンに拒否されたモイラは一度消えるのに、ヒロイン役のケイトリンに引き戻されてしまって更に被害者が増える訳なんですが、リンカーンに拒否された時の言葉が「?」って感じだったのでそこを聞き取る為にもう一度観ました。字幕は「クソ野郎」っていうセンスの欠片もない様な訳だったのですが、実際には「I don't need (you) anymore!」だったので、何であんな訳にしたのか謎…。「消えてくれ!」とかじゃないのか…?それだと弱いんですかね。でも元々の台詞がそんな感じだし。

 

最終的にはモイラの殺害システム(?)を逆手に取って、リンカーンが自害する事でモイラを倒します。倒せてないけどね…って感じで終わるので、人気があったらシリーズ化予定だったのかも?

 

この映画は私はかなりサブカル色が強い印象を受けました。なのであまりホラーっぽくない。

精神を落ち着かせる為にケイトリンが手首に巻いた輪ゴムをパチンパチンと弾くシーンがあったりして(心療療法でそういうものがある)かなり細かく描いてある所があると思いきや、雑な所はめちゃくちゃ雑です。恋愛描写とかモイラの描写は雑。主人公やケイトリンの心理描写は描き方が丁寧な気がします(最後は雑だけど)。全体的に厨二っぽいかも。嫌いじゃない。

 

リンカーンが地味で陰キャなのにイケメンとか、実は怒りを発散させたらそこそこ強いとか、元チアガール(モテる)のケイトリンに無条件で好かれる所とか、自分をいじめる奴らが自分の手を汚さずに殺されていく所とか、最終的に自分を犠牲にしてモイラを倒す所とか、「非モテ監督なのかな…」って思いましたけどまぁそれは置いておこう。

 

タイトルはあれだけどまあまあ楽しめました。