うつ病に罹患すると、喜怒哀楽が正常に働かなくなります。脳が誤作動を起こしてるので、適切な反応が出来なくなります。だから、健常者には理解出来ない言動が増えます。
「こんな事で何でそんなに過敏反応するのか」
「今までは普通に言ってきた事なのに…」
「何処が地雷か分からない」
健常者の方から見たら、多分こんな感じでしょう。
前回書いた事に繋がるのですが、うつ病患者の言動全てに健常者は反応して、心配してしまいます。そして、精神的に疲弊します。
常に会話に慎重さを求められるので、緊張して神経が張った状態が続きます。
その結果、健常者もうつ病になってしまい、「うつは移る」と言われる状態になるのです。
うつ病患者と一緒に道を歩む事は上記の理由でお勧め出来ませんが、それでも一緒に生きていきたいという方には是非、
①その人と自分を割り切って考える。
②自分がそばにいて精神的に支えるという考えは捨てる。
という2点を頭に留めておいて欲しいです。
うつ病を回復させる為に、家族の協力は不可欠だと言われます。だからついつい「精神的に支える」発想になり易いのですが、そうではないと私は思っています。
*うつ病患者が寝たきりでも生きていける環境を作ってあげる事。主に食事面。
これが必要なのではないかと。
重度のうつ病になると(大体その時には仕事にも行けません)寝床から離れられなくなります。そして自己否定が始まる。
そう簡単にその状態からは回復出来ないので、とにかく何も考えずとも生活は出来る環境を整えてあげるだけで、うつ病患者が感じる負担はだいぶ減ります。
私の様に「診断してくれ」と自らお医者さんにかかる人もいればかかりたがらない人もいますが、かかる人は出されたお薬は飲む。薬飲んで誰かが作ってくれたご飯食べてひたすら寝る。何も考えられない位寝続けても良いと思うし、一時的に薬漬けになっても良いと思う(処方された薬が多くても飲むのだよ、の意味です)。寝て食べて薬飲んで寝て食べて薬飲んで、半年位の目安で家族はそれを許してあげるのが良いと思う。
お医者さんにかかりたがらない人は、何故かかりたがらないんだろう?楽になりたくないのかな?私はそこが不思議です。
私はこの絶望感がずっと続くのが耐えられなかったから、お医者さんに駆け込んだ。薬漬けになっても絶望感が続くよりずっと良いと思ったから。仕事行けないしさ。そうすると収入なくなるしさ。絶望感が増すだけだったからさ。
まぁこれはうつ病患者本人の話だけども。
ここからはうつ病患者本人の話になります。
私がちゃんと定期的に心療内科に通い出し、薬をいくつも変えて、その間に私生活も変化したりして、「寛解宣言」を受けたのが36歳位。でも不眠症は続いてるので、変わらず定期的に心療内科に通って精神安定剤と睡眠導入剤を処方してもらってます。風邪っぽい時や頭痛が続くときは風邪薬や鎮痛剤、胃薬なんかも処方してもらってます。でも抗うつ剤は全く飲まなくて良くなりました。
抗うつ剤は抗アレルギー剤と同じく、その人の体質に合う合わないの判断がとても難しいです。だから何度も何度も薬を変えて様子見を繰り返し、自分に合った薬を見付けないといけません。
オリジナル薬とジェネリック薬の違いだけでも、その人の体質に合う合わないがある事がある位、細かく変える必要がある場合もあります。
私は多くの眠剤で頭痛(吐き気くるレベルの激痛)の副作用が出る為、眠剤が変えられません。でも眠剤だけではなかなか寝付けません。なので、精神安定剤を併用してる訳です。
違う話ですが、多くの人が鎮痛剤の「ロキソニン」より「ボルタレン」の方が強い薬だと思っていますが、私は全くボルタレンが効きません。配合成分によってはそれだけ顕著に出る場合もあります。
話がズレましたが、抗うつ剤や眠剤、又は精神安定剤があまり自分に合ってない気がする場合、すぐにお医者さんに相談しましょう。薬を変えてくれますから。
私はうつ病になって仕事を辞めました。寝たきり生活は半年位続いて、ちょっと回復した頃フルタイム勤務の仕事を始めたらまたうつ病が悪化し退職。その後規則正しい生活と太陽を浴びる生活を始めて、また回復してきました。でもそれでもうつ期はやってくる。
足掻いて足掻いた結果、ある日パッカーンと頭に閃いた事がありました。「ストレスを減らしていこう」。
まず、自分が今出来る事と出来ない事を把握する。自分にとって現状、何がストレスになっているか把握する。自分が出来ると思っていても実際には出来てない事は、「出来ないカテ」に入れる。ストレスはいくつもあるだろうから、思いついたものから排除していく。
対人関係におけるストレスについては、考え方を変える。きっとこれが一番難しいですね。
私は自分で基準を設けました。自分がその人との仲に疑問を感じたら、フェードアウトする。もちろんそれまでにいくつかこちらからアクションを起こしますが、その人の言葉ではなく行動を中心に考える事にしたら、その基準は結構簡単に決まりました。
最後がこれ。恐らく最も大切な事。
「タラレバ」の話は全て捨てる。
*うつ病になる前の自分だったらこんな事易々と出来たはず。
*うつ病にならなかったらもっと出世してたはず。
*うつ病にならなかったら元気に遊びに行けてたはず。
*あの時に自分で気付いてセーブしてれば今はこうなっていなかったはず。
いーっぱいありますけど、私が考えるうつ病長引かせてる人って、「理想の自分」に縛られてる気がします。
めるみんとさんもブログで書かれてましたが、今の自分と対峙し、今の自分を認めない限りは恐らくうつ病からは抜け出せません。
「諦めろって言うのか?!」と言ってくる人もいます。「はい、その通りです」
「そうだったら夢も希望もない…」と言ってくる人もいます。じゃあその1試してみる?
「理想の自分」は「自分ではありません」。
タラレバ言ってても、現実の自分は今ここに存在する自分。
正確に言えば、開き直りでも諦めでもなくて自分を認めて現実を受け入れる、という事だ。めるみんとさんのブログがとても分かり易く書いてます。何故か言及出来ないが…。
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私は、「うつ病に罹患する人は真面目な人」という思い込みにいつも疑問を覚えます。
私なりの解釈ですが、「うつ病に罹患する人は自分のペースで自分の理想の道を歩きたがり、それが叶わない人」だと思うな。
悪口を言ってるつもりはなくて、考え方を変えて欲しいなと思うだけです。自分が楽になる為に。
とりあえずこれで伝えたい事は書けた気がする。