2012年の作品で、原題は「Any Day Now」。原題の意味は「いつの日か」という意味。
この作品はね…悲しみしかない。
「全米映画祭絶賛!!観客賞総ナメの感動作」と書いてあって…まぁ感動作ではあるにはあるけど…違う。私がこのポスターから想像した感動とは違う。物凄く評価が高いと聞いて想像した感動とは違う。
この記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
ってか、含むどころか今から書く内容に全部最後まで書きます…でないと私の感想が書けないので…。
〈内容〉
舞台は1979年アメリカ。
主人公ルディはゲイ向けショーパブで働くショーダンサー。そこで出逢ったポールと仲良くなる。ポールは教師を辞した後に猛勉強をして弁護士になり、離婚後この街に越してきたとのこと。同性愛者への偏見を避ける為、ポールはゲイである事を隠していた。
ルディは収入も不安定で安アパートに住んでいるが、隣人は薬物中毒な上に毎晩大爆音で音楽をかける迷惑な女性。何度注意しても改善される事はなく、毎晩注意しては諦める日々であった。
そんなある日、隣人が男と夜中に出掛けて行って帰って来なくなった。薬物で捕まったのだ。隣人の家にはダウン症の男の子マルコがいた。服もボロボロで食事も用意されておらず、ネグレクトされていたマルコをルディは引き取って一緒に暮らしたいと考える。その為にどうしたら良いのかをポールに相談する中で、ポールは2人と共に住む事を決め、マルコの母親から監護権の承認を得る。
3人で暮らし始め、全ては順調であった。3人は愛を与え、愛を受け、幸せな姿をビデオに沢山残した。愛溢れる3人。そんな幸せな関係が引き裂かれたのはある日突然であった。
ポールの上司の誘いに応じポールはルディとマルコを連れてホームパーティーに参加するが、そこで上司にゲイである事を勘づかれてしまう。上司は即座に各局に通報し、マルコは公的機関は連れて行かれ、ルディは警察に拘留される。そしてポールは事務所をクビになってしまう。
保釈されたルディは裁判を起こしてでもマルコをこの手に戻したいとポールに訴え法廷で戦うが、勝機が見えたと思ったその時、マルコの母親によってマルコはまた母親の元に戻されてしまう。検察は法廷で勝つ為に、マルコの母親を親権申し出を交換条件に早期釈放したのだった。
母親からの申し出では成す術もなくルディはホームビデオを観ながら悲しみに暮れる。そんな中マルコはまたネグレクトをされ、ルディ達を探しに3日間彷徨い歩いた挙句、橋の下で死んでしまう。
死んじゃうんですよ!!!!マルコが!!!!
救いが無い…悲しみしかない…。
この作品は「ゲイの男性が育児放棄された障害のある子供を引き取って育てた」という事実にインスピレーションを得て描かれてますが、実話ではないです。
実話じゃなくて良かったよ!!!!
1970年代なんて今からは考えられない位に同性愛者への偏見が強かったと思うので、それを描きたかったんでしょうけども…なんか…嫌じゃ。途中、幸せな3人を沢山見て、且つ法廷でも勝機が見えたと思ったところからの突き落としがあまりにも辛過ぎる…私の心がって話なんですけども。
俳優の演技自体は良いとか、作品としてどうとか、そういうの全無視で悲しみしかない。
辛い現実を改めて見せられただけ、という気分。作品内ではダウン症に関しての差別はあまり強くは描かれていないので(無しではないが)まだ良かった。Wで描かれたらキツイ。
これ、心の修復に少し時間かかる映画ですわ…。
時間がうまく取れなくて2回に分けて観たんですけど、それがダメージを緩和してくれた。1回で観終わってたら入り込んでただろうし、今どころのダメージじゃ済まないだろうな(/ _ ; )